NHKで放送された「コンテ・エ・フィーユ」特集の裏話を少し

NHKで放送された、コンテ・エ・フィーユの特集番組、ご覧いただけましたでしょうか?

5K、4K、BSと3回にわたって放映されたこの番組。せっかくなので、ちょっとした裏話も交えてご紹介させてください。

 

「NHKから連絡きたんやけど…祥子、何かした?」

2025年の年明け。コニャックの大型スーパーで買い物中だった私のもとに、姉のブランディーヌから突然の電話。

電波が悪くて出られず、買い物を終えて車に荷物を積み込んでから留守電を再生すると…

「アヌアッシュカーから連絡きたんやけど、祥子、何かした?」

“アヌアッシュカー”…? 数秒かかって「NHK」のことだと理解した瞬間、「えっ!? 何もしてないけど何!?」とプチパニック。

急いで家に戻ってブランディーヌに電話すると、「NHKから連絡が来て、撮影に来ることになったよ。祥子の人脈すごいね!」と褒められましたが、本当に、私は何もしてない。

どうやらNHKの方が、数年前にフランスで放送されたコンテ・エ・フィーユの特集を見て、直接連絡を取ってくださったそうです。

しかもその日は、ちょうど私が彼女たちのコニャックを日本に輸入し、最初のボトルが届いた日。

偶然が味方してくれたようで、本当に嬉しかったのを覚えています。

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撮影当日、現場へ!

「見学に来る?」と聞かれ、即答で「OUI!」。行かない理由なんてありません。

番組は、日本でも人気のフランス人イザベル・ボワノさんが職人を訪ねる「パリジェンヌの田舎暮らし」。

NHKではブランド名は出ませんが、「投稿してもいいよ」と許可をいただいたので、ここでご紹介します。

今回登場したのは、姉のブランディーヌ・コントと妹のアンヌ=ロー・コント。

普段はコンテと記載していますが、番組内では「コント」と表記されていたので、この記事でもそれに合わせます。

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撮影の様子と姉妹の素顔

現場に到着してすぐ、クルーの皆さんにご挨拶。テレビ関係の方とお会いするのはこれで4回目くらいですが、毎回刺激をもらえるので楽しみにしていました。

打ち合わせでは、どう撮るか、どんな話をするかを確認している様子。

台本なしの自由なスタイルで、最初は緊張していた姉妹の表情が、だんだんといつもの柔らかい雰囲気に戻っていくのが印象的でした。

イザベル・ボワノさんがメゾンに入るシーンでは、私が初めて訪れたときのことを思い出します。

カメラの後ろで静かに見守りながら、彼女たちの経歴やメゾンの歴史を聞き、試飲へ。

 

コニャックの味わいと「口の中での旅」

番組では5年熟成(5ans)のコニャックを試飲。

イザベルさんは「リンゴや洋ナシ、秋の果実を思い起こす」と表現していましたが、

私はいつも、彼女たちのコニャックに“花の広がり”を感じます。

この華やかさは、どのキュヴェにも共通する、彼女たちのコニャックの個性だと私は思っています。

優しく、柔らかく、まるで姉妹そのものを映したような味わい。

イザベルさんの「口の中での旅」という言葉がとても印象的でした。

本当に、お酒って旅をさせてくれる。

ちなみにこの日はとても寒くて、でも暖房器具が音の大きいタイプしかなく、撮影中は暖房を切っていたので、グラスが白く曇っていたのはそのせいです。

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蒸溜と熟成、それぞれの担当

蒸溜を担当するのはブランディーヌ。

撮影よりも待ち時間や打ち合わせの方が長く、私も蒸溜器で手を温めていました。

コニャックの蒸溜は、収穫から翌年3月末までに行うと決められているので、冬の蒸溜器の温もりは格別です。

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熟成を担当するのはアンヌ=ロー。

ブランディーヌは丁寧に話しかけていたのに対し、アンヌ=ローは途中からタメ口に。

撮影の合間もずっとイザベルさんと話していたので、自然と打ち解けていったのが伝わってきました。

私はその間ブランディーヌと話していたので、撮影の様子はあまり見ていなかったのですが、映像で残るって、やっぱり面白いですね。

 

コニャックを使った料理とカクテル

撮影の最後は、ブランディーヌの家でカクテル作り。

使ったのは3年熟成(3ans)のコニャック。

ライムとショウガを潰し、コニャック45mlを加え、さらにレモネード60ml。

仕上げにキュウリを飾る「コニャック・サミット」というカクテルです。

コニャック×キュウリの組み合わせ、意外とよく見かけます。キュウリが苦手でなければぜひお試しを。

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続いてはエビのフランベ。こちらは5年熟成(5ans)を使用。

前日にブランディーヌとお母さんが2kgのエビを買ってきて、すべて殻を剥いたそうです。

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個人的には、生のエビを焼いてフランベした方が美味しいと思いますが、フランスでは塩ゆでしたエビを買うのが一般的なので、料理前からエビが赤いのが印象的でした。

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パウンドケーキには10年熟成(10ans)を使用。

ブランディーヌとご家族が事前に焼いてくれていたもので、レシピをお願いしているので、届いたらまたご紹介しますね。

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さらにイザベルさんは、15年熟成(XXO)を使ってマロンケーキを。

卵2個、砂糖20g、バター80g、マロンクリーム370g、ベーキングパウダー大さじ2、玄米粉100g。

そこに入れるのがコニャック大さじ3。かなりしっかりとコニャックの風味が出そうな分量です。

そこにマロングラッセを3つ加えてオーブンへ。

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私は普段あまりお菓子を作らないのですが、イザベルさんが作っている様子を見ていると、とても簡単そうに見えました。

クリスマスも近いし、今年は挑戦してみようかなと思っています。

本当に簡単なのか、簡単そうに見えるだけなのか。

 

最後に

試飲や料理のシーンで登場したエプロンには、「Vigneron Indépendant(独立生産者)」のロゴが描かれていました。

これは、ブドウ栽培から瓶詰めまでを一貫して行う生産者が加盟できる組合の証です。

落ち着いた雰囲気の中で進んだ30分の番組。

コント姉妹は、私にとってフランスのお姉ちゃんのような存在で、そんな彼女たちの姿を日本のテレビで見られたことが、本当に嬉しかったです。

柔らかく、情熱的な彼女たちの人柄がそのまま表れているコニャック、

「コンテ・エ・フィーユ」。

ぜひ一度、味わってみてください。